裸圧着端子や閉端接続子、フェルール端子の圧着

制御盤や電気部品

お客様のところでたまに適当な圧着がされている制御盤や設備を見ることがあります。

明らかに違う工具で圧着されていたり被覆を剥きすぎていたり・・・。

いつ事故が起こってもおかしくないようなものも見たことがあります。

たかが端子と思うかもしれませんが、銅線が一本はみ出ていることで誤作動や事故につながることもあるので、正しい圧着を心がけたいですね!

今回は「小さなバン屋」でよく使う裸圧着端子と閉端接続子(CE)、フェルール端子の圧着方法を写真を使って説明したいと思います。

裸圧着端子

制御盤内の配線や外から盤内に入ってくる電線は裸圧着端子を使います。

よく使う端子は以下のような種類です。

  • 丸端子(ブレーカやモーターやトランス、アースの配線などでよく使います。)
  • Y端子(PLCの回路やDC24Vの回路で使います。)
  • 棒端子(プッシュイン端子台や可逆電磁開閉器の可逆の渡り線のところでよく使います。)
  • 平端子(安全ブレーカなど小さいブレーカの接続で使います。)
小さなバン屋
小さなバン屋

いつもは富士端子の裸圧着端子を使っています。でもたまにニチフのプラスチックケース入りを使いたくなります。端子を使った後のケースを集めてしまうんですよね。

まず使用工具は裸圧着端子をマーベル製MH-5で圧着し、電線をベッセルのストリッパーで剥いてみます。


最初はY端子をUL1007(AWG18)電線に圧着してみます。下がY端子1.25用です。写真はお腹部分(ろう付け部分)が上になっています。


まずは電線をストリッパーで剥いてみます。UL1007(AWG18)電線は銅線の面積が0.82㎟なのでだいたいストリッパーの0.9の刃のところがちょうどいいと思います。


0.9のところに電線を挟んで剥きます。電線の太さより小さい刃で剥いてしまうと銅線を傷つけたり切ってしまうので、必ず適切な刃で剥くようにしましょう。


次にY端子を圧着ペンチに装着します。この時必ず圧着ペンチのダイス部分がY端子のお腹(ろう付け)部分の真ん中に当たるようにします。そして電線を通して圧着します。


出来上がりです。端子のお腹、真ん中にダイスの跡がきているか、裏側は端子のサイズの刻印がキレイに打たれているかを確認しましょう。電線は写真のように圧着部分から少し見えるくらいにしましょう。長すぎたり短すぎてもだめです。


ダメな例を作ってみました。電線を剥く長さが長すぎたり横から髭みたいに飛び出した場合はやり直しましょう!


ほとんどの場合はマークチューブや絶縁キャップをつけて端子に接続すると思います。仕上がりはこんな感じです。

小さなバン屋
小さなバン屋

裸圧着端子は丸端子、Y端子、棒端子、平端子も大きさや形にかかわらず基本的に圧着方法は同じなので参考にしてください。

閉端接続子(CE)

光電センサーやエアシリンダーのオートスイッチなど、端子ではなくてリード線が出ている機器にVCTF電線などをつなぐとき閉端接続子(CE)を使います。

間違えている例として、裸圧着端子用の圧着ペンチで閉端接続子(CE)を圧着しているのを見たことがあります。

閉端接続子(CE)も必ず専用の圧着ペンチで圧着してください。「小さなバン屋」で使っている圧着ペンチは下の二種類です。

閉端接続子CE専用の圧着ペンチです。

CE1、CE2、CE5、CE8と全種類圧着できますが、少し大きいので持ち歩きにくいです。

こちらは裸圧着端子の1.25㎟と2㎟と閉端接続子CEのCE1、CE2、CE5が一緒になった圧着ペンチです。

たまにちょこっと裸圧着端子も圧着するようなときに便利です。

小さなバン屋
小さなバン屋

コンベアなどの搬送機のセンサーやオートスイッチの電線を圧着するときは大量の閉端接続子CEを使います。閉端接続子CE専用の小さい圧着ペンチを買おうか悩み中です。


それでは実際に圧着してみます。今回はCE2を使って、UL1007AWG18電線とKIV1.25㎟を圧着してみようと思います。

電線を必ず閉端接続子CE2の穴の奥先まで届く長さで剥いて二本をより合わせます。


圧着ペンチのCE2の刃にCE2をセットします。この時必ず中のスリーブ(絶縁体の中にあるアルミの部分)の真ん中に刃が来るようにセットしてください。


電線を通し、被覆を剥いた銅線の部分が、しっかりCE2の根本の部分から穴の奥のスリーブ(絶縁体の中にあるアルミの部分)より出ているかを確認します。

問題なければ圧着します。

このとき力を入れた反動で電線がズレたり、抜けないように気をつけてください。


仕上がりです。中のスリーブ(絶縁体の中にあるアルミの部分)の真ん中に圧着の刃の跡があれば完了です。下は表と裏の写真です。刃の跡が真ん中についています。

フェルール端子

プッシュイン端子台などを使うときによく使います。

使う工具はこんな工具です。端子もこんな筒状の変わった形をしています。

小さなバン屋
小さなバン屋

この圧着ペンチはメーカーの代理店さんが端子台を沢山買ったときにおまけで付けてくれました。端子のサイズを気にしなくてもいい優れものです!


今回もUL1007AWG18電線にフェルール端子を圧着していきます。

電線をフェルール端子を既定の長さ(この端子の場合は10㎜)で剥いて、端子の穴に通します。


電線を差し込んだら圧着ペンチの刃の中に入れて圧着します。


仕上がりはこんな感じです。

裸圧着端子と同様に髭が出ていたりする場合はやり直しましょう。

圧着作業は大事!

今回は写真を使って裸圧着端子と閉端接続子(CE)、フェルール端子の圧着作業の説明をしてみました。

たかが電線一本の圧着がダメだったせいで機械がうまく動かなくなることもあります。

まして漏電なんかしたら工場の一画が停電なんてことにもなりかねません。

制御盤の電線が正確に圧着されていないと、どんな制御盤も不良品に見えてしまうので気をつけたいですね。

最後に、このブログを書いている人

小さなバン屋
小さなバン屋

小さな盤屋を一人で細々と営みながら一人でゆる~くロードバイクを楽しんでいます。

一人ぼっちでロードバイクを始めても楽しめることを皆さんに伝えるためにこのブログをやっています!

就職氷河期世代ですが、なんとか設備メーカーに就職し、いろいろありまして5年ほど前から一人で頑張っています。

このブログが皆さんのお役に立てれば幸いです!!

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