三相モーターの正転逆転に使う可逆式電磁開閉器の使い方や配線の方法を書こうと思います。
今回は富士電機製の可逆式電磁開閉器(コイル電源200V、サーマルリレーは200W)を使って説明します。
可逆式電磁開閉器ってこんな部品
前の記事で書いた電磁開閉器の横に電磁接触器がくっついた形をしています。
電磁接触器や電磁開閉器については別記事の「電磁接触器、電磁開閉器の使い方」で紹介していますので、ぜひご覧ください。
接触器の部分に黄色い配線や、接触器のメイン端子には黒い電線が最初から付属で配線されています。
基本的な使い方をする場合はこの最初から付属されている電線がとても大事な役割をします。
可逆式電磁開閉器の使い方
モーターを逆回転させる方法
電源が三相200Vで動く三相モーターは、電源の相を逆にすることで回転を逆に動かすことができます。
この相によって回転方向が逆になるのを簡単に切り替え出来るようにする装置が可逆式電磁開閉器です。
可逆式電磁開閉器のは下の画像のように役割が分かれています。
可逆式電磁開閉器の配線方法
モーターに電気を流すメイン端子の配線と、開閉器のコイル電源の配線とを別々に説明しようと思います。
メイン端子の配線と動力の黒い渡り線
可逆式電磁開閉器のメイン端子には正転側と逆転側に黒い電線が付属されています。
モーターを正転させる場合、正転側がONで逆転側がOFFの時、メイン端子の電気の流れは下図のような流れになります。
今度は逆に正転側がOFFで逆転側がONだった場合は下図のような電気の流れになります。
逆転側の開閉器がONになり黒い渡り電線を通ることで出力側の相が逆になり、モーターが逆回転するようになっています。
開閉器の入力側の黒い渡り電線と、出力側の黒い渡り電線でR相とT相が入れ替わるように配線されています。何か単純ですがよく考えられています。
コイル電源の配線と、補助接点の黄色い電線
補助接点とコイル電源には下図のように黄色い電線が付属されています。
正転側と逆転側の開閉器が同時にONになってしまうと三相200Vの相が混ざってしまいショートしてしまい大変危険です。
そこで、この黄色の電線を使うことで正転側と逆転側のコイルに安全な回路で電源を供給できるようになっています。
黄色の電線がつながっている補助接点(b接点)とサーマルリレーのb接点を使って配線します。
正転側と逆転側でそれぞれR相の電源がお互いのb接点を通るように配線します。
こうすることで、正転側のコイル電源がONしているときに間違って逆転側にも動くよう信号がきても、逆転側のコイルに電源が入らないようにできます。
そしてS相はサーマルリレーのb接点を通るように配線します。これで過負荷や過電流でサーマルリレーが作動したとき、正転逆転両方のコイルに電源が入らないようにできます。
下図のように正転しているときに誤って逆転側の信号もONしたとしても、正転側のb接点が逆転側のコイルに電源が入らないようになります。
正転側と逆転側の間には機械的にも同時に接点が入らないようなインターロックの仕組みがされています。
可逆式電磁開閉器のまとめ
- 可逆式電磁開閉器は三相モーターを簡単に正転逆転ができる便利な部品。
- 三相モーターは三相200Vの相を入れ替えることで回転を逆に出来る。
- 開閉器のb接点の補助接点を使うことで正転逆転の開閉器が同時に入ることを防げる。
- サーマルリレーのb接点を使うことでモーターの過負荷や過電流が起きてもモーターを停止できる。
コイル電源やサーマルリレーの配線ですが、今回はR相とS相を使いましたが、T相を使っても問題ありません。配線の仕方は色々あります。ただ慣れるまでは参考にしてみてください。
三相モーターを動かす装置には可逆式電磁開閉器以外にもインバータという部品もあります。
インバータを使うと正転逆転以外にも、低速にしたり徐々に加速や徐々に減速など色々な動きをモーターにさせることができます。
インバータについてはまた別記事で紹介したいと思います。
ありがとうございました。
最後に、このブログを書いている人
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